これまで本学の学部科目である「形態機能学」の授業は、全国の看護系大学や専門学校の先生が、今後の科目運営や授業構築の参考にするために聴講に来ています。
これまで延べ200名以上の看護教員が聴講に来ています。学部生もすっかり他看護系教員が、教室の後ろで見学することに慣れており、しっかりと挨拶をしてくれています。
今回は、茨城県にある茨城県結城看護専門学校の先生が、4月~10月末までの授業を聴講くださり、以下のような感想をくださいました。延べ15名の先生が聴講されました。
【感想】
2022年度入学生から、第5次保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正による新カリキュラムがスタートしました。今年度は当校において3年間の新カリキュラム完結年になります。学生の授業評価や講師の意見等を概観すると、「人体の構造と機能」と「疾病の成り立ちと回復の促進」の科目間の関連性が弱く、病態理解や看護実践の根拠に繋がりにくいという課題があることが分かりました。
そこで、その課題解決に向けた検討を進めるため、聖路加国際大学の大久保暢子教授にご相談し、形態機能学の授業を聴講する機会をいただきました。聴講するに当たり、ご協力をいただきました大久保教授を始め、大学関係者の方々、学生の皆様に深謝いたします。
聴講期間は令和6年4月11日から約半年、教員7名が23時限の授業を聴講しました。聴講後の12月23日に報告会を行い、其々の教員が聴講での学びを発表しました。それは、アクティブラーニングによる授業展開やその進め方、授業中の発問と学生の反応及びその支援方法など、授業に関する具体的な学びが挙げられました。
また、学生の学び方からも多くの学びがありました。4月の頃の学生は大人しく、消極的に見えましたが、2~3ヶ月後には見違えるほど積極的な姿勢でPBLの授業に臨んでいました。その変化に驚くとともに、学生の授業の取組み方自体が自己成長を促しているように感じました。それは私達が学生の皆さんから学習方法を教えてもらった際に裏付けられ、多くの学生は授業の前後に独自に工夫した方法で学習を準備し授業に臨んでいました。ある学生は事前学習に授業範囲のほか、授業のPBLの課題学習を想定した範囲まで学習準備を行い、他には授業中の教員の発問をメモし自分ノートに書き込み学習を深めるなど、其々の学生が、学び方を工夫しながら授業に臨み、その努力の足跡が成長した姿にみえたのだと理解しました。
このように聴講を通して、教員と学生双方の立場から授業の取組み方を考える機会になりました。私達はもっと教育力を向上させ、授業を通して学習者の成長を支援していきたいと、教員間で共有することができました。このような貴重な聴講の機会をいただけたことに感謝いたします。
最後になりましたが、大久保暢子先生、大学関係者、学生の皆さんが私達を歓迎し、丁寧に対応してくださったからこそ、学びの多い研修になりました。学生の皆さんの益々の成長を期待し、私たちも看護教育を頑張ります。大久保暢子先生には大変お世話になり、ありがとうございました。