”起きる”看護ケアプログラム

“起きる”ケアについて

病院などの医療施設で働いているナースの皆さん、介護従事者の皆さんは、普段、入院された患者をいつ、どのように?起こしていますか?
自分が担当した患者を、「いつごろ起こしていいのか」、「どのように起こしたら良いのか」分からず、日が経っていませんか?

いつごろ起こして良いのか

”廃用症候群 (注)” を招く危険があるため、“出来るだけ早期から” が望ましいと言えます。
*言わば、超急性期から起こす(早期離床)ことで、患者の身体を退行させずに、最大限、生活行動を維持できる可能性が高くなります。
慢性期の順調なリハビリテーション、回復に繋げるために、“急性期:入院直後、手術直後から” 起こしていくことが必要というわけです。
しかし、患者の病態や身体状態で、起こして良い時期が違ってきますし、それを判断するのが、一番難しいのだと思います。
急性期患者の場合は、特にそうでしょう。

(注)廃用症候群とは?「大久保暢子(2006):国際リハビリテーション看護研究会誌 5(1), 29-44, 2006-06-01.」(5.1MB)

どのように起こしたら良いのか

“患者の身体面、心理面に安全な方法で、起こしていく“ ことが大切です。そして、どのような技術で、患者を起こしたら良いのかを知る必要があります。

廃用症候群を防ぎ、罹患前、入院前の身体状態を維持、残存機能を維持することで、

慢性期に順調なリハビリテーションが行え、さらに退院後、患者の残存機能を活かした生活行動が取れる可能性が高くなります。

急性期から患者を起こす場合

本研究チームは、 脳卒中および頭部外傷患者に対する 急性期から「からだを起こすケアの開発と効果検証」に取り組んでいます。
からだを起こすケアは、“起きる”看護ケアプログラムと称します。
同プログラムは、急性期のなるべく早期から、身体状態を判断し、安全にからだを起こし、廃用症候群を防ぎながら、生活行動を維持していくためのプログラムです。
プログラムの内容は、総論から起きる技術の手順まで、詳細に以下の雑誌に掲載されています。ご興味のある方は、雑誌をご参照ください。

「ナーシング・トゥデイ 2009年10月号」
メディカルオンラインにて購入いただけます。
バックナンバー名:ナーシング・トゥディ 2009年24巻11号

【特集1 脳卒中看護から学ぶ“起きる”看護ケアプログラム】

  • 人が起きて生活するということ
  • 脳卒中リハビリテーション認定看護師教育における“起きる”看護
  • 生理学的機序から見た起きることの意味と廃用症候群
  • 研究成果から見た“起きる”効果
  • “起きる”看護ケアプログラムの紹介
  • “起きる”看護ケアプログラム内の看護技術
  • “起きる”看護ケアプログラム実践例
  • プログラムおよび背面開放座位保持具の開発

慢性期から患者を起こす場合

急性期を脱し、慢性期まで経過している患者の場合は、比較的容易に、からだを起こすことを進めていけます。
「起きるケアで寝たきり予防のパンフレット (1.7MB)」
に慢性期での起こし方と注意事項が掲載されていますので、そちらを参照ください。

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