皆様いかがお過ごしでしょうか。
修士課程 院生の佐藤です。
先日、福岡県に在住の遷延性意識障害の方のご自宅を2件訪問し、アロママッサージを見学させていただきましたので、ご報告いたします。
きっかけは、こちらの1冊の本との出会いから始まりました。
作者は、平日は薬剤師として勤務されながら、休日は訪問アロマセラピストとして遷延性意識障害の方々へ施術を行われている畔津亜希子さんです。
私はこの本と出会い、ぜひお会いしたい!という思いから、ブログへメッセージを送らせていただいきました。その後、実際にお会いすることができ、ありがたいことに私の取り組みに興味を持ってくださり、今回の見学が叶いました。出会いとご協力に感謝いたします。
今回訪問させていただいたお一人目は、この本にも出てくる福岡県北九州市の渡辺さんです。(お写真の掲載は許可をいただいております)
左から、お母様、セラピストの畔津さん、私佐藤です。
ご自宅に訪問させていただいた際、驚くことにご本人がいらっしゃるベッドの隣で、お母様が別のセラピストから全身のアロママッサージの施術を受けられていました。
このような体制により、ご本人だけでなくご家族もリフレッシュできるひと時の環境を整えられていました。そのことについては、本にも記載されていましたが、実際にその様子を見学させていただき、とても貴重でありがたかったです。
また、施術も間近で見させていただき、たくさんのポイントを畔津さんに直接教えていただきました。ありがとうございます。
施術は左上肢から始まりましたが、開始してすぐはご本人も興味津々でセラピストの畔津さんの方に注目されています。
時間とともに、いつのまにか夢の中へ・・・☆
関節の可動域、筋肉の状態を手で感じたり目で確認しながら施術をされており、施術前後で関節や筋肉の状態を触らせていただき、とても勉強になりました。
この方は、アロママッサージを始める前は、左上肢が回内していましたが、継続した施術によりミニ扇風機をご自身で持つことができるまでになりました。風がほしい時は自分に向けて、いらないときは風の向きを自分から逸らすことができるとのことでした。また、月に1回の畔津さんによる施術だけでなく、毎晩お母様が施術されていることもこうしたうれしい結果につながったと思われます。(お母様より)
最後は一緒にお写真を。微笑みかけていただき、ご家族やヘルパーの方にも終始温かくしていただきとても嬉しかったです!ありがとうございました。
午後は、福岡県宗像市の望月さんのご自宅へ訪問させていただきました。
望月さんは、ご本人とお父様、お母様の3人で暮らされており、渡辺さん同様温かく迎えてくださいました。
施術の様子のお写真です。
衣服はすべてを着脱させるのではなく、衣服をずらしながら主に四肢の施術をされていました。
お一人毎に、関節の状態や筋肉の硬さ、四肢の冷感の有無が異なるため、施術前に観察するだけでなく、各部位を施術する中で手で感じながら行われていました。
また、長いストロークというよりは、短いストロークを繰り返していくしていくことによって少しずつ少しずつほぐしていく施術をされていました。施術後に触らせていただいた際、施術前よりも関節可動域が広がっていることや筋肉が柔らかくなったことが感じられました。
1回の施術ですべてを解決することは難しいため、少しずつアプローチし、少しずつ少しずつの変化ですが、どちらの方も5年以上畔津さんの施術を受けられていることやご家族の献身的な関わりによりこうして過ごされていることに感動いたしました。
お二人とも九州の遷延性意識障害の家族会である「つくしの会」でアロマテラピーについて知り、導入されたとのことでした。
遷延性意識障害者・家族の会九州『つくし』HP URL:https://kyusyutsukushi.wixsite.com/kyusyutsukishi
遷延性意識障害の方への関わりは、アロマテラピーの他にもたくさんありますが、こうしてその関わりの一つにアロマテラピーを選んでいただき、継続されている方がいらっしゃること、遷延性意識障害の方を支えるアロマセラピストがいらっしゃることを実際に見学することができとても大きな学びとなりました。
今後もこうした学外活動を通して、学びを深め、自身の研究を進めていきたいと思います。
今回見学させていただいた、渡辺さん、望月さん、そしてアロマセラピストの畔津さん本当に貴重な機会をありがとうございました。このご縁に感謝いたします。
そして帰り道にとても大きな虹が。とても素敵な1日でした。ありがとうございました。
佐藤