高知県の馬路村にある「馬路村農業協同組合 ゆずの森研究室 」に、沢村正義先生(高知大学名誉教授 農学博士)はいらっしゃいます。
私がはじめて沢村先生にお会いしたのは、10年ほど前でしたが、会う前から素晴らしい人柄の先生であることをメールの文面から感じていました。
「龍馬空港までお迎えに行きますよ」と沢村先生自らメールに書いて下さり、温かいお気持ちがとても伝わってきたのを今でも鮮明に覚えています。
実際にお会いすると、イメージ以上に温かくお優しく、そしてひた向きに研究をされている研究者であられることが分かりました。
専門分野は違うけれど、ゆず精油を通して、沢村先生と交流させていただき、研究者としての素養を学ばせていただきたいと強く思いました。
人や自然に良い商品を提供するために、誠実に研究と向き合う先生のお姿は、これから研究者になろうとする若者の皆さんにも見て頂きたい姿と思っています。
謙虚で静かで、でも内面に熱い研究の情熱を持ち、ひたすらに研究に打ち込む、そしてその結果を出来るだけ多くの人に公表していきたいという姿勢は、研究者そのものであり、私の目指す研究者です。
噓をつかず、誠実に真実を具現化し、そしてその結果を威張らず、傲慢にならずに伝えていく・・・研究はそのような研究者の中で繰り広げられるものであり、沢村先生はそのものです。
私は10年来、研究者として本当に尊敬し、学ばせてもらっています。
沢村正義先生は、高知大学農学部 教授を定年退職後、高知県の山深いところにある馬路村でユズなど柑橘類の研究に携わっています。
大久保研究室は、脳神経疾患患者の症状緩和や心理支援といった看護ケアを探求している研究室ですが、その一つにアロマセラピーがあります。
脳卒中サバイバーの疲労感、うつ、リラックスを目的にアロマセラピーを導入したり、急性期病院では、脳卒中麻痺や脊髄損傷からくる四肢麻痺などの体動困難な患者アロマセラピーを提供し、その効果検証をしています。
病いを持つ患者様やサバイバーに提供するアロマセラピーであるため、安全性を担保することは必須であり、特に急性期病院ではまだまだ治療途中の患者様であったり、体力が回復していない患者様もいることから、研究論文として精油の安全性の担保は重要です。
私たち大久保研究室が、馬路村のゆず精油やベルガモット精油を使用させていただいているのでは、信頼できる沢村先生の精油や柑橘系に対する研究結果があるからです。
沢村先生もご自身がなされた精油の基礎研究が、臨床の場で使用され、研究として公表されることをとても喜んでおられます。
基礎研究の沢村先生、臨床研究の大久保で、これからも研究が続くことを神様にお祈りする日々です。
大久保研究室の院生にも沢村先生と交流し、研究者の態度を学んでもらいたいと思っています。
沢村先生と馬路村の益々のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
文責 大久保暢子