寒い日がつづき、様々な感染症が流行しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。院生の佐藤です。
この度は、現在、聖路加国際大学に通われている看護学生の方が、入院されているご家族へアロマハンドマッサージを行ったことを教えてくださったので、その様子をご紹介いたします。
今回入院されたのは、90代の女性です。
お子さんを出産された以外は入院したことがなく健康に過ごされており、今回は検査入院が目的でした。
ご家族全員が病院に慣れておらず、どう関わったらよいか困惑したり、入院されているご本人も入院生活に対して困惑されている様子があり、何かしたい!という思いからアロマを思い出してくださったとのことでした。
お部屋は4人部屋のため、談話室へ移動し、まずは、ホットタオルで手を温めてから施術を開始しました。
お写真の左がお孫さん、真ん中がご本人、右側が長女さんです。
お二人とも初めての施術とのことでしたが、施術方法の紙を確認しながら片手ずつ施術されました。
ご本人の腕には内出血の跡が広がっていますが、やさしくオイルをつけた手で触れると心もほぐれていきます。
今回使用した精油は、高知県馬路村のゆず精油です。また、この際に使用した植物油はホホバオイルですが、馬路村のユズシードオイルが届き次第、ユズシードオイルにゆず精油を入れて、また実施してみるとのことでした。
長女さんからは「いつもお話はするけど、こうやってスキンシップをするのはあまりないので良かった!」と発言がありました。
また、ご本人からは、手を包まれた瞬間に「気持ちいい~」とおっしゃっていたとのことでした。
ゆず精油が香る中で施術された空間は、幸せに満ちたひと時だったのではないかと思います。
施術後に、施術を受けたご本人と施術をした長女さんとお孫さんの計3人で、つやつやになった手をそろえてお写真を。
アロマを活用して身も心もほぐれたことが伝わってくる素敵なお写真とエピソードでした。
また、現在入院されている90代の方は、元々中学校で国語の教員をされていた方で、右の方は、小学校にお勤めの長女さんとのことで、百人一首の系譜を図式化して作者たちの人間関係を暗記で語り合うお二人のお写真です。
さらに、ユズシードオイルの効果や成分に関する論文を看護学生の方が持っていたのを一目みて、「これ、いただける?頂戴!」とご本人が仰ったとのことで、効果にも興味を持っていただけて嬉しい限りです。
こうしたことから、会話は様々なツールを介すことで、より広がりが生まれ、新たなその方の一面を知ることができるということを改めて感じました。
入院中は不安な日々を送ることが多いですが、こうした精油を用いたケアで身も心もほぐれることで、少しでも快適な入院生活を送ることができる一助になったことを嬉しく思います。
今回は、精油を用いて心が通った素敵なエピソードをご紹介させていただきました。
年始の仕事が始まり、体調を崩しやすい時期ですので、みなさんがそれぞれお好みの香りでご自身を労りながらお過ごしくださいませ。
(上記の写真は、ご本人とご家族のご許可を得て掲載させていただいております。)
佐藤