不安定な気候が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。院生の佐藤です。
この度は、2025年3月5日~6日にかけて高知県馬路村にて研究報告とユズシードオイル抽出機器等の見学を行いましたので、ご報告いたします。
今回の馬路村訪問は、本研究室の大久保先生、博士課程の青山さん、修士課程の佐藤で伺いました。
また、同日程でソフィアフィトセラピーカレッジ代表の池田様も訪問され、ともに馬路村で作られているユズシードオイルの製造工場やベルガモット畑の見学などを行いました。
自然に囲まれた馬路村農業協同組合の建物の中には、加工所とゆずの森研究所があります。
そして、ゆずの森研究所には、農学博士であり高知大学名誉教授である沢村正義先生がいらっしゃいます。沢村先生は、世界でもっとも多く生産されている果実、カンキツ類(ミカン科カンキツ属)の研究に半世紀に亘って携わられています。
今回は、現在本研究室で取り組んでいる「脳卒中サバイバーに対するアロママッサージの評価~心身ストレスに焦点をあてた観察研究」に関して進捗状況を報告いたしました。
また、沢村先生が分析されたゆず精油とベルガモット精油を使用して研究を進めていることもあり、ご質問やご助言もいただくことができ、さらに研究に対して誠実に取り組み、研究結果を論文や学会発表等で報告できるよう取り組んでいきたいと思いました。
また、ユズシードオイルの抽出工場も見学させていただきました。ユズを収穫し、加工品等に使用して残った種を乾燥させ、抽出機器に入れて作られるユズシードオイルは、メラニン生成を抑制する効果や香放作用を合わせ持ち、そのまま塗布をするだけでなく、精油を入れて施術する際のトリートメントオイルとしても有効的であることを学ぶことができました。
オイルを絞った後の残りは、たい肥となり、ゆずから取れる栄養をできる限り活用するサイクルが回されておりユズを最大限に活用されていることがわかりました。
また、マイクロ波の蒸留機器も見学させていただきました。とても大きく、ステンレス製で作られており機器を見学することができとても感動しました。
今回は、馬路村から少し離れた室戸市にあるベルガモット畑も見学させていただきました。沢村先生がベルガモットの本場であるイタリアから検疫を通して持ち帰り、イタリアの気候に近い室戸市で栽培することとなり現在に至るそうです。ベルガモット畑は、自然豊かな小道を進んだ先にあり、生き生きとした葉をたくさん付けたベルガモット畑が広がっていました。
生産者の方からお話も伺うことができ、普段研究で使用しているベルガモットがこうした方々のおかげで出来上がっていることを知り、改めて精油を使うことができるありがたみを感じました。
自然豊かな馬路村を訪れることができ、このような環境の中でゆずやベルガモットが栽培、加工、販売、研究と様々なことができることに改めて感銘を受けました。また、馬路村の方々のたくさんの温かさを感じ、人とのつながりのありがたさを感じました。
今回の訪問で学んだことや感じたことを今後の研究やその他の活動に生かしていきたいと思います。
最後に、今回の馬路村訪問に際し、ご案内くださった馬路村農業協同組合の木下専務と高橋様へ感謝申し上げます。
今後も益々のご発展を願っております。
院生 佐藤
精油やユズシードオイルに関する詳細は、以下のHPをご覧くださいませ。
【馬路村農協HP内関連ページ】