実践編 | 更新日:2024年10月17日 掲載日:2019年2月27日 |
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Answer(要約)
ベッドに寝ている患者を起こし、背中を背もたれにもたれさせず両足底は床に接地させ、頚部を自力で保持して座る姿勢をとれるように支えます。背面開放座位保持具を活用すると、安全・安楽に背面開放座位を実施することができます。背面開放座位実施前にはアセスメントを行い、実施中も観察を行いましょう。
詳細解説
具体的な手順を紹介します
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背面開放座位が実施可能な状況にあるかアセスメントします。
- 患者にこれから背面開放座位を行うことを説明し、同意を得ます。
- 座った時に足が着くように、ベッドの高さを調節します。足台を準備し、足台に足が着くような高さでもよいでしょう。
- ベッドの背もたれを上げヘッドアップポジションを保持します。
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介助者は起き上がる側に立ち、患者の状態を観察しながら、下肢を下ろします。
- 初回は血圧低下などが起こる場合があるため、すぐに血圧測定ができるよう準備して実施するとよいでしょう。
- 急性期患者に対して行う場合は、片足を下ろしたところで状態に変化がないか確認してから、もう片方の足を下ろします。
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起き上がりを介助し両肩を支持して背面開放座位をとります。
両足底が床に接地されているか、座位が安定するよう骨盤を整え歪みがないか、股関節、膝関節を90°に屈曲させているかを確認します(大久保ほか 2005b)。- 自立して姿勢の保持ができない場合、患者の背面から両肩を支持するか、背面開放座位保持具(後述Q6)を使用します。
- 頚部が不安定で頭部の前・後屈のある場合は、頭部のみを支えます(瀧ほか1992)。
- 背面開放座位を保持している間は、判断項目に沿って状態を確認します。疲労度や表情・言動にも注意します。
- 一定時間 背面開放座位を保持した後、患者を臥位に戻します。実施後も状態に変化がないか確認します。
背面開放座位を安全に実施するためにはアセスメントと観察が重要です。
後述「Q7 座る時の注意点ってなに?」を参照し、座る前の準備、実施中・後の観察を行いましょう。