実践編 | 更新日:2024年10月17日 掲載日:2019年2月27日 |
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Answer(要約)
徒手的な介助を行うのと比べ、継続性、再現性、持続性に優れていると言えます。
※ここでいう保持具とは、「Q6 一人で座れない人はどうするの?」で解説した体幹機能が重度に障害された患者のための用具を指します。しかし体幹機能によっては背部の支持部品の無い作業用テーブル(図)や、介助バー(ベッド用手すり)も有用な補助具となります。靴を履くことや足底が安定した接地面となる環境整備は、どのような場合も必要です。
詳細解説
保持具を使用する際には、あらかじめ姿勢等の評価を行い、保持具を適切に設定し、プロトコールを遵守することが前提となります。
継続性
保持具が物理的な基準となるため、スタッフが交代しても、あるいはセラピストや介護職などの異なる職種が実施しても、また在宅等へ療養の場が移行しても同質の効果を得やすくなります。
再現性
「再現性に優れた福祉用具は、看護業務における申し送りが容易
になるなどの業務の効率化がはかられ、好意的に受け入れられることがある。」という報告があります。また保持具は剛性が高く、広い支持面を得ることができます。患者の身体にかかる荷重が分散し、安定した状態が保たれるため、心身の緊張緩和が図られやすくなります。
持続性
背面開放座位をとる頻度や時間に、スタッフの人員等による制限を設けざるを得ない状況を改善し、頻度や時間を増やすことができるでしょう。また徒手的な姿勢保持には、看護師の不良姿勢を招き、腰痛の原因となるリスクがあります(2013年に改訂された腰痛予防対策指針は、医療現場での人力による抱え上げ同様、不良姿勢を禁止しています)。