Q4 背面開放座位ケア開始前に何をするの?

実践編 更新日:2024年10月17日 掲載日:2019年2月27日

Answer(要約)

患者さんが何のためにリハビリテーションに取り組むのか本人・家族・医療スタッフと話合い、目標を立てましょう。イギリスの脳卒中ガイドラインでは、本人にとって意味のある目標を立てることは、患者さんのモチベーションを向上させ、最良の結果を生み出すことができると報告しています。(NICE guidance 2010)。

  • 脳科学の視点から
    脳卒中リハビリテーションにおいて、患者の価値観や希望を考慮したオーダーメイドのプログラムならびに目標設定が重要であると報告されています(井上 2010)。
  • 目標の立て方
    患者さんがリハビリテーションに興味を持ち、能動的に参加できるようになることが早期回復のカギとなります。そのためには、実現可能な小さな目標を立てながら、最終目標を考えることが必要となります。たとえば、目標を考える際、「車いすに乗れるようになったら何をしたいですか?」、「歩けるようになったら何をしたいですか?」という問いかけをしてみてください。最終的には、患者さん自身がどのような姿を目指しリハビリテーションを行うのか最終目標を考えてみてください。患者さん固有のリハビリテーション目標を立てることで、訓練内容も個別性の高いものとなり、生活の質の維持・向上につながる可能性が高くなります。これは、意識障害患者さんも同様です。ご家族やキーパーソンに「〇〇さんは普段、どのようなことをするのが好きでしたか?」、「今、どんなことをしたいと思っているのですかね?」などと尋ねてみて下さい。患者さんの入院前の生活を知り、最終目標を立てることをお勧めします。患者さんの反応を引き出すようなリハビリテーションを行うことで意識レベル改善が期待できます。
  • リハビリテーション目標を共有する
    目標を設定したら用紙に記載し、床頭台などご本人、ご家族、医療スタッフたちの目の届くところに置いて共有しましょう。さらに、目標の評価を定期的にご本人、ご家族、医療スタッフと一緒に行い、評価・修正を繰り返しながらご本人の目標に沿ったリハビリテーションが行えるような工夫をしましょう。

目次

はじめに

【知識編】

【実践編】

引用文献

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